近年、指導者の悩みとしてよくあげられるのが、“厳しい指導ができない時代”になったということです。
昔は体罰が当たり前。
指導者の言う通りにできなければ殴られたり、練習に参加させてもらえなかったりしていたと思います。
しかし、今の時代にそのような指導をしたらどうなるでしょうか? ニュースになったり、指導者が解雇されてしまいますよね。
では、どのような指導が選手を成長させるのに適しているのでしょうか?
「叱る指導」と「褒める指導」
まず、指導スタイルとしてよく比較されるのが、
- 叱りながらの厳しい指導
- 褒めながらの指導 です。
皆さんは、どんな指導を受けてきましたか?
私の通っていた空手道場は「叱る指導」がメインの道場でした。
練習中によそ見をすれば叩かれ、少しでもビビる様子を見せても叩かれ、練習でできなかったことが次週もできなければ「もう来るな」と言われるような道場でした。
もちろん、練習中に笑ったことなんてなく、先生の顔色を伺いながら、びくびくして練習していました。
当時の私は、その環境が当たり前だったし、そういう環境だからこそ強くなれるんだと信じて練習していました。
道場に着けば無駄話はせず、皆が黙々とアップし、練習が始まれば本気でぶつかり合っていました。
今考えると、小学生とは思えないほど意識が高い集団だったと思います。
しかし、このような指導スタイルは今では大問題になってしまいます。
だからこそ、そういった環境で育った私たちから上の世代の指導者は、どんな指導をすべきか迷ってしまうのだと思います。
結局どちらが伸びる?
「叱る指導」と「褒める指導」では、どちらが選手が伸びるのでしょうか?
答えは——どちらも伸びるが、伸びる“期間”が違うのです。
実験に見る、指導の違い
アメリカの心理学者エリザベス・ハーロックの有名な実験があります。
小学5年生を3つのグループに分け、5日間連続で算数の問題を解かせました。
- グループ1:放任(褒めも叱りもしない)
- グループ2:叱責(成績に関係なく叱る)
- グループ3:称賛(成績に関係なく褒める)
結果は以下の通りです。
- 放任:最初だけ多少向上するが、大きな変化なし
- 叱責:3日間は成績向上 → その後失速
- 称賛:5日間連続で成績が向上
なぜ「叱る指導」は失速するのか?
● 義務感による行動は長続きしない
- 「やらなきゃ」という圧で行動する
- 自主性や楽しさがないため消耗しやすい
● 正解探しになり、主体性が消える
- 怒られないことが目標に
- 自分で考えることがなくなる
● 慣れによる効果の低下
- 脳が叱られる刺激に慣れ、効かなくなる
● 自信を失い挑戦しなくなる
- 「また怒られる」「自分なんか…」
- 失敗回避が目的になり、成長しにくくなる
なぜ「褒める指導」は成長が続くのか?
● 内発的動機が育つ
- 「認められた」「もっとやりたい」
- 自分から努力するようになる
● 脳が成功体験を強化する
- 褒め=ドーパミン分泌 → 習慣化
● 内省と成長の質が深まる
- 「なぜ上手くいったのか?」と考える力がつく
● 心理的安全性が生まれる
- 失敗しても挑戦できる環境 → 挑戦意欲UP
これから、どんな指導をしたいですか?
もちろん、時には叱ることも必要です。
しかしそれは、道徳的に反する行為をした時など、ごく限られた場面だけでいいと私は考えています。
それ以外の場面では、
- 良いところを見つけて褒める
- 改善点は冷静に伝える
- あとは信じて見守る
このような関わり方が、選手のパフォーマンスを長期的に引き上げてくれます。
指導に悩む方へ
ここまでお読みいただいても、「今さら指導スタイルを変えるのは簡単じゃない」と感じている方もいるかもしれません。
しかし、 叱ってばかりいた人が褒めるようになると、選手の心に驚くほど届きます。
まずは一歩、勇気を出して、変えてみませんか?
最後に
「うちの選手に合った声かけが知りたい」
「今の接し方で本当に大丈夫か不安」
「褒める指導に切り替えたいけど、どうしたら…?」
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