結果を安定させる選手が、好調時に必ずやっていること

こんにちは!
スポーツメンタルコーチの押田海斗です。

私は、
「メンタルが弱い」と言われて悩んでいる選手や、自分自身で「メンタルが弱い」と思い込んでいる選手に、メンタルコーチングを通して、
「自分らしさを力に変え、ワクワクする結果に導くサポート」をしています。

本日は、スポーツメンタルコーチの役割について、普段とは少し違った角度から見ていきたいと思います。
世間では、スポーツメンタルコーチを雇うタイミングは、メンタルで悩んでいるときや、緊張して理想のパフォーマンスを発揮できていないときだと考えている選手が多いように感じます。

もちろん、それもスポーツメンタルコーチが力を発揮する大切な場面の一つです。
しかし今回のコラムでは、調子が良いときや、悩みや不安がまったくないからこそ、スポーツメンタルコーチが必要である理由について、一緒に見ていきましょう!

なぜ「調子が良いとき」こそメンタルコーチが必要なのか

まず初めに、「なぜ、調子が良いときや、悩みや不安がないときこそ、スポーツメンタルコーチが必要なのか?」という点について説明していきます。

実際に私が選手にメンタルコーチングをしている中で、
「特に悩みはないです」
と言われた経験があります。

その言葉を聞いた瞬間、私は心の中で、
「お!俺の出番だ!」
と、一気にスイッチが入りました。

その理由の一つが、調子の良いときほど、人は足元をすくわれやすいと考えているからです。

不安があるときと、ないとき。人はどちらで準備をするのか

ここで、少し想像してみてください。
悩みや不安が多いときと、悩みや不安がまったくないときでは、どちらの方が入念な準備をするでしょうか。

おそらく、多くの方が「悩みや不安が多いとき」と答えると思います。

人は、悩みや不安があるからこそ、
「何か足りていないのではないか」
「もっと準備をした方がいいのではないか」

と考え、入念な準備をします。

逆に言えば、入念な準備ができていないからこそ、不安や悩みが消えないとも言えます。

つまり、心配性な人やネガティブだと感じている人は、ポジティブな人に比べて、入念な準備ができる素質を持っている可能性があるとも言えるのです。

「悩みがない=準備万端」ではない

ここまでの話を聞いて、
「悩みや不安がないということは、準備が整っている証拠だから、メンタルコーチは必要ないのでは?」
と思った方もいるかもしれません。

しかし、そうではありません。

ここで私が選手に気づいてほしいことは、
「悩みや不安がないからこそ、できる準備がある」
という点です。

自己ベストを狙える選手に必ず投げかける質問

例えば、試合で自己ベストを出したいという目標を掲げている選手がいるとします。
そして、その選手が「自己ベストを出すことに対して不安はない」と言ったとします。

これは、その選手の中で、
・自己ベストを出すための準備が整っている
・自己ベストを出すイメージができている
という状態だと考えられます。

そこで私が選手に必ず聞く質問があります。
それが、
「もし、目標を達成する上で起こりうる障害があるとしたら、何だと思う?」
というものです。

「今の状態」は本当にそのまま保たれるのか

多くの選手は、
「今の状態のまま試合を迎えられれば、自己ベストが出る」
と考えています。

しかし、ここで一度立ち止まって考えてほしいのです。
本当に100%、今の状態のまま試合を迎えられるのでしょうか。

そもそも、「今の状態」とは、具体的にどんな状態なのか。
この点を明確にしていく必要があります。

試合当日に起こりうる、現実的なトラブル

例えば、次のようなことが考えられます。

・試合当日の気温が低い
・道が渋滞して、アップの時間が十分に取れない
・急にお腹を壊してしまう
・忘れ物をしてしまう

悩みや不安がないこと自体は、とても良い状態だと思います。
だからこそ、そのようなメンタル状態のときに、起こりうる最悪の状況について考えておいてほしいのです。

「想定」と「準備」が心の安定をつくる

そして、その障害をどのように乗り越えるのかまで考えておきます。

・試合当日の気温が低い
天気予報を確認し、ホッカイロを用意しておく

・道が渋滞してアップの時間が取れない
車の中でできるアップを考えておく

・急にお腹を壊してしまう
食事に気をつける、常備薬を用意しておく

・忘れ物をしてしまう
前日に持ち物チェックをする

これらは、メンタルコーチが答えを与えるものではありません。
選手自身に考えてもらい、設定していくことが大切です。

状態が良いときだからこそできる準備

このような準備を、悩みや不安でいっぱいの状態の選手に行うと、逆に不安を大きくしてしまう可能性があります。
だからこそ、状態が良いときだからこそできる準備として、大切にしていきたいのです。

これをしているかどうかで、試合当日の心の安定感には大きな差が生まれます。

準備の有無が、トラブル時の反応を分ける

もし、何も準備をしていない状態で急にお腹が痛くなったらどうでしょうか。
試合の緊張感の中で焦りが生まれ、試合に集中できなくなるかもしれません。

さらに、
「自分は運が悪い」
「ついていない」
と、過剰にネガティブな解釈をしてしまう可能性もあります

しかも、悩みや不安がなく、最高の状態で試合を迎えていた場合、そのショックは普段以上に大きくなることもあります。

想定していたからこそ、落ち着いて臨める

一方で、事前に腹痛になる可能性を想定し、準備していた場合はどうでしょうか。

常備薬がある。
起こりうることとして想定している。

そうであれば、想定していなかったときよりも、落ち着いた状態で試合に入れるはずです。
むしろ、
「準備しておいて良かった」
と、ポジティブな気持ちで試合に臨める可能性すらあります

もう一つの重要な視点|「なぜ悩みがないのか」

次に、不安や悩みがないと言われたときに、もう一つ考えてお説明したいことがあります。
それは、選手自身が自分のことをどれだけ理解できているかという点です。

ここでよくある落とし穴が、
「なぜ今、悩みや不安がないのか」
という理由を、自分自身で理解できていないケースです。

成功体験の誤学習という落とし穴

人は無意識のうちに、「結果」と「理由」を結びつけて考えてしまいます。

・今のやり方をしているからうまくいった
・今の考え方ができているから調子が良い
・今の状態こそが正解だ

しかし実際には、

・環境
・相手
・コンディション
・状況

など、複数の要因が重なって結果が生まれています。

この整理ができていないと、次に悩みや不安が出てきたとき、過去の成功パターンを無理やり当てはめてしまいます。
これを成功体験の誤学習と言います。

だからこそ「悩みがない今」に整理しておく

本当は、過去と今では要因が違うだけなのに、
「自分の能力が落ちた」
「自分には価値がなくなった」
と、誤った解釈をしてしまうことがあります。

だからこそ、メンタルコーチが、悩みや不安がない理由を一緒に整理しておくことが重要なのです。

おわりに|良い状態を未来につなぐために

現状、悩みや不安がないことは、とても良い状態だと思います。
しかし、そこで満足して立ち止まるのではなく、そんなときだからこそできる準備や整理があるということを、覚えておいていただきたいのです。

それが、今後のパフォーマンスアップに大きく関わってくると、私は考えています。

今回も、最後までお読みいただき、本当にありがとうございました。
このコラムが、誰か一人にでも届き、役に立てたら幸いです。

また、無料のメンタルガイドブックも配信していますので、よろしければそちらも読んでみてください。

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